筒井康隆 著「旅のラゴス」あらすじと読んでみた感想

こんにちは、わらべこ祭りです。 本日も見ていただきありがとうございます。

「旅のラゴス」という本を読んでみました

著:筒井康隆さんの旅のラゴス

年齢を重ねるとともに読書欲が高まってきたんですが、何を読んだらいいのかわかりませんw

とりあえず、小説人気ランキング的なものを漁っていると常に上位にあるのが、この「旅のラゴス」でした。
読書初心者の私にもすごく読みやすく、面白かったのでご紹介します。

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「旅のラゴス」ってこんな物語

この物語は、地球では無い、とある惑星での話。
ラゴスという惑星北部に住む青年が主人公です。

古い言い伝えによると、この地は先祖が他の惑星からやって来て開拓した惑星だという。
その先祖が残した宇宙船の残骸や、移住元の惑星の歴史、大量の技術、その他膨大な量の本が手付かずのまま惑星南部に残されているという。

ラゴスは、ある時、旅に出ます。

旅の目的は人類の原点・・・つまりは、他の惑星からこの惑星に移住してきた先祖の残した書物を読むため

この物語は、青年ラゴスが様々な苦難を乗り越え、目指す先祖の土地へと向かう旅のお話です。

読んでみた感想

この惑星には緑が少ないような感じがしました。物語の中でも砂漠地帯が多かった気がします。

先祖が移住してきた惑星

読み進めていくと、この惑星がおそらく「火星」なのでは?と思うようになります。そして移住してきた者とは、「地球人」だということも。

すなわちラゴスが求めていた書物とは、「地球人」が残した地球の歴史や文化、科学技術などの知識なんです。

ラゴス達の先祖は地球人です。なので、基本的には私達と同じような生活習慣を持っています。
ただ、この物語の面白い所は、この惑星の人達には特殊能力があるということ。

特殊能力には以下のものがあります。

  • 転移
  • 顔面変形術
  • 壁抜け
  • 読心術

まず「転移」
これは瞬間移動のようなものです。
1人での転移はかなり難度が高いようですが、集団での転移は頻繁に行われています。

集団で意識を集中し、目的の地を想像します。そして意識レベルが一定の水準を超えると、なんと!その地へ瞬間移動できてしまうんです。

しかし、注意しないといけない事もあり、イメージした場所に新たに建物が建っていたり、物が置いてあって、その空間に転移してしまうと、人間と物が重なり爆発してしまいます。なので、転移する場所は慎重に選ばないといけません。

次に「顔面変形術」
これは、その名の通り顔を自由に変形できます。

物語の中では、ラゴスが町で出会った似顔絵職人がこの能力を持っていました。とても評判の似顔絵職人だったのですが、この能力のせいで事件に巻き込まれてしまいます。

次に「壁抜け」
これもその名の通り壁をすり抜ける能力です。

これはラゴスが立ち寄った町の見世物として、この能力を持った青年がお金を稼いでいました。
青年は、生まれて気がつくと、この能力があったといいます。ただ、服や物を一緒には壁はすり抜けられません。生まれたままの姿でないと体は壁の中には入りません。

なので、過去には窃盗などに使えないか試したこともあったそうですが、物を持って逃げられない為、せいぜい何か食べて逃げることくらいしか、できなかったようで、今は見世物で稼いでるとのこと。

しかし、この青年もある欲望で、事件の当事者になってしまいます。

最後に「読心術」
これは相手の気持ちが分かってしまう能力です。

これもラゴスが立ち寄った村で出会う事になった人物について書かれているんですが、この「読心術」を持った人物にデーデヨーマという者がいました。

デーデはこの「読心術」という能力を良い意味で使っていました。それは、相手の気持ちが分かるので、相手のして欲しい事を聞かずに助ける事ができます。なので村の皆はデーデにすごく好意的です。

しかし、私がかわいそうだなって思ったのはヨーマという人物です。この男は元々が非常に優しい性格の人物でした。ただ「読心術」の能力を持っていただけに相手が思う嫌な感情、醜い想いがダイレクトにヨーマの中に入ってきてしまいます。

ヨーマはその醜い感情に耐えきれなくなり、どんどん性格が歪んでいきます。人を傷つけるようになります。
すると町の人々はヨーマに対して嫌な感情を持ちます。そしてヨーマの性格は更に歪んでいきます。

人間、思っていることを全て口に出していたら大変な事になります。本音と建て前が社会で生きていく為には必要です。

しかし、ヨーマには全ての人の本音が頭の中に入ってきます。これは本当に辛いことでしょう。
ヨーマの人生はその後も苦しい人生のまま、物語の中では姿を消しています。

物語には書かれていませんでしたが、せめて最後は幸せになってくれていたらいいなって思いました。

わらべコメント

ラゴスは物語の中で、目的の地に到着し、膨大な量の本を読む作業に入ります。何年も本を読み続けます。それは散歩する時間ですら惜しむ程に。

その中で、ラゴスはこんな事を言っています。

本を読むだけの生活だけど焦燥などしていない。自分の人生など、この膨大な歴史に比べたら焦ろうが怠けようが微々たるものなのだから。
人間は一生のうちで、ただ好きなことだけに可能な限り時間を当てればいい筈だ。

これには背筋がゾクッとしました。

良い学校に入学しないと・・・良い会社に入って出世して・・・愛する人と結婚して子どもをしっかり育てないと・・・そうしないと将来が不安だ。
それが幸せな人生の定義だ。

誰もが普通に考える事ですよね。

でも人間の寿命なんて持って100年。多くの人はもっと早く死んでいきます。

死んだら、全て終了です。みんな灰になってお墓に入ります。

だったらこの100年の間に、どれだけ自分の好きな事に、のめり込む事ができたか?

それを実践できた人ことが、本当の幸せ者なのかもしれませんね。

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この本の作者について

作者:筒井康隆
出身:大阪府大阪市
生年月日:1934年9月24日

主な受賞歴

  • 1970年(昭和45年)-『霊長類南へ』第1回星雲賞
  • 1971年(昭和46年)-『ビタミン』第2回星雲賞
  • 1974年(昭和49年)-『日本以外全部沈没』第5回星雲賞
  • 1975年(昭和50年) – 『おれの血は他人の血』第6回星雲賞(日本長編部門)受賞
  • 1976年(昭和51年) – 『七瀬ふたたび』第7回星雲賞(日本長編部門)、『スタア』同賞(映画演劇部門)受賞
  • 1977年(昭和52年) – 『メタモルフォセス群島』第8回星雲賞(日本短編部門)受賞
  • 1981年(昭和56年) – 『虚人たち』第9回泉鏡花文学賞受賞
  • 1987年(昭和62年) – 『夢の木坂分岐点』第23回谷崎潤一郎賞受賞
  • 1989年(平成元年) – 『ヨッパ谷への降下』第16回川端康成文学賞受賞
  • 1990年(平成2年) – ダイヤモンド・パーソナリティー賞受賞
  • 1991年(平成3年) – 日本文化デザイン賞受賞
  • 1992年(平成4年) – 『朝のガスパール』第12回日本SF大賞受賞
  • 1997年(平成9年) – 神戸市名誉市民勲章受章。フランス・芸術文化勲章シュバリエ章叙勲。フランス・パゾリーニ賞を受賞
  • 1999年(平成11年) – 『わたしのグランパ』第51回読売文学賞受賞
  • 2002年(平成14年) – 紫綬褒章受章
  • 2010年(平成22年) – 第58回菊池寛賞受賞

最後までお読みいただきありがとうございました。

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