潰瘍性大腸炎の外科治療 永久人工肛門、IAA、IACAについて

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今日は手術前日です。母親も病院に呼ばれ先生から説明を受けました。私が受ける術式はIACAという直腸を少し残す方法です。

もう1つの術式のIAAと比べると比較的、便の漏れが少ないようです。ストーマ生活での3ヶ月間で私なりに術式については調べたので、このIACAという選択には納得しています。せっかくのなので、この潰瘍性大腸炎の手術についてまとめてみます。

潰瘍性大腸炎の外科治療とは

潰瘍性大腸炎の治療には内科治療と外科治療があります。原因不明のこの難病も最近は薬によるコントロールができるようになってきました。なので基本的に最初は内科治療から始めます。

しかし、患者全体の約15%が内科治療によるコントロールができずに外科治療を行います。潰瘍性大腸炎で外科治療を行う場合は、必ず大腸全摘になります。それは大腸の炎症のある部分だけを摘出しても、切ったところから、また炎症が始まってしまうからです。さいわい大腸は無くても生きていけるので、このような治療になります。

しかし、この手術は非常に難しい為、どこの病院でも出来るわけではありません。手術例が多い病院として以下の病院があります。

  • 【北日本】東北大学病院
  • 【東日本】横浜市民病院、横浜市立大学病院、東大病院
  • 【中部】三重大病院
  • 【関西】兵庫医科大学病院
  • 【中国】広島大学病院
  • 【九州】久留米大学病院

以上が手術例の多い病院になります。後で書きますが各病院で得意な術式があります。私が手術を受ける横浜市民病院はIACAを得意としている病院のようです。

手術適応について

では外科治療は、どのタイミングで行われるのでしょうか?
手術適応には2つのパターンがあり、絶対的適応と相対的適応に分かれます。

絶対的適応とは

絶対的適応とは、急激に悪化したり合併症で手術をしないと命にかかわる状態になってしまった場合です。以下のような例があります。

  • 穿孔:大腸に穴が空いてしまった。
  • 大出血:輸血が追いつかないくらいの大腸からの出血
  • 中毒性巨大結腸:大腸が腫れあがり毒素が全身に回ってしまう。
  • 激症や重症:症状が重く、2週間以上内科治療で改善が見られない。
  • 癌化:大腸で癌が見つかった場合

以上が絶対的適応の例になります。私の場合は重傷で内科治療の効果が無く、最終的に中毒性巨大結腸になってしまい大腸全摘をしました。

相対的適応とは

次に相対的適応ですが、これには色々なケースがあります。重傷ではないが治療の効果が弱く長期間炎症が続いてしまっている場合や、薬による副作用に苦しんでいる場合。またステロイドを服用しすぎている場合も手術適応になります。

このように、絶対的適応の枠には入らないが生活の質(QOL)が著しく低下している場合には手術をします。以下のような例があります。

  •  難治性:半年以上緩解できない。入退院を繰り返す
  • 薬の副作用:骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、白内障、緑内障、ステロイド神経症等
  • 日常生活が送れない:仕事が出来ない等

以上のような場合になります。緊急性がない場合は出来るだけ体調を整えてから手術に挑みます。その方が術後の経過も良いからです。逆に体調を整えてから手術に挑めるので絶対的適応の緊急手術に比べると術後の経過も良いです。

術式について

最近、主に行われている術式は3つあります。

  1. 永久人工肛門
  2. IACA
  3. IAA

1.永久人工肛門とは、その名の通り小腸を外に出し、人工肛門とする手術です。その場合、お尻の肛門はいらなくなるので閉鎖手術をして肛門を閉じます。一般的に永久人工肛門はIACAやIAAが出来ない場合の最後の手段として行われるようです。稀に永久人工肛門をあえて選択する方もいるようですが。

2.IACAとは、小腸で大腸の代わりとなる袋を作り肛門と繋ぎます。その際に直腸を少しだけ残して繋ぎます。得意な病院としては、横浜市民病院や横浜市立大学病院があります。

IACA

出典元:IAAとIACA

3.IAAとは、小腸で大腸の代わりとなる袋を作り肛門と繋げる方法はIACAと同じですが、IACAで残す直腸を全て取ります。得意な病院としては、兵庫医科大学病院と三重大病院があります。

IAA

出典元:IAAとIACA

それぞれの術式のメリット・デメリット

この3つの術式にはメリット・デメリットがあります。その前に外科治療によって大腸全摘をすることのメリット・デメリットからまとめてみます。

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手術によるメリット

  • 再燃する大腸が無くなり腹痛から解放される。(術式によっては、残した直腸から再燃する可能性もある)
  • プレドニンなどの薬の副作用から解放される。
  • 食事制限がほとんど無くなる。(腸閉塞になりやすい食べ物には注意が必要)
  • 大腸癌の可能性が無くなる。(術式によっては、残した直腸から癌が発生する場合がある)

手術によるデメリット

  • 手術が複数回になる場合は、一時的に人工肛門になる
  • 大腸が無いため、脱水しやすい体になる(大腸が無くても生きていけるが大腸が無くなることによって以前よりも水分の吸収が悪くなる)
  • IACA・IAAの場合、便漏れが起こる可能性がある。
  • 再燃での入院は無くなるが、腸閉塞で入院になる場合がある。
  • 特定疾患の認定が対象外になる可能性がある。

永久人工肛門のメリット

  • 潰瘍性大腸炎から解放される。
  • 肛門と繋げた場合に起きる便漏れが無い。
  • 身体障害者手帳が貰えるので障害者年金や障害者雇用枠での就職が出来る。

永久人工肛門のデメリット

  • 肌が弱い人はストーマ(人工肛門周り)の肌荒れで苦しむ。
  • ストーマによる合併症(小腸が体の中から出ている事によって起こる色々な合併症がありますが、ここでは省きます)
  • 定期的にストーマ装具を交換しなければならない。
  • 外出先でストーマ装具からの漏れがあった場合に困る。
  • 温泉やプール等、お腹を見せるような所には行きにくい。
  • 周囲からの冷たい視線・偏見。

私は3ヶ月程しか、この人工肛門を体験していませんが、体験する前のイメージとは全然違いました。体験する前、私はこう思っていました。

「わざわざ肛門と小腸を繋げて便漏れに苦しむより、ずっと人工肛門でいた方が楽でいいじゃん。潰瘍性大腸炎から解放されるし、袋を交換していれば普通の人と同じ暮らしが出来る。」

しかし、いざ体験してみると、確かに袋を交換していれば生きては行けます。しかし私には”普通の”生活は出来ませんでした。

人工肛門の袋を付けていると、うつ伏せができません。お腹を圧迫する行動は取れません。私は肌が弱いので、わずが数週間のうちに肌荒れで炎症を起こしました。炎症が起きてもストーマ装具は付けなくてはいけないので炎症部分が痛かったり痒かったりします。

冬の寒い時期でこれですから、きっと夏場はもっと酷いことになるでしょう。汗で蒸れて大変な事になるでしょう。

外出先では常に便漏れの心配です。遠出なんて出来ませんでした。自宅で漏れてしまった時でさえ、慌ててしまったのに外出先の慣れない場所で装具の交換なんて出来ません。

たった数ヶ月でこれだけ私の中でデメリットが生まれました。この生活を一生は無理だと思います。もし永久人工肛門の方がこのブログを見ていたら怒るかもしれませんが、私はそう思ってしまいました。申し訳ありません。

IACAのメリット

  • 潰瘍性大腸炎から”ほぼ”解放される(残した直腸に炎症が起こる場合もある)
  • IAAよりも便漏れが少ないらしい
  • 手術が1回で済む場合が多い(私の場合は緊急手術だったので2回に分けました)

IACAのデメリット

  • 便漏れが半年以上、人によっては一生起こる可能性がある。
  • 残した直腸に潰瘍性大腸炎が再燃する場合がある。
  • 小腸で作る袋に炎症(回腸嚢炎:かいちょうのうえん)が起きる場合がある。抗生物質ですぐに治るが一部の患者で難治性になってしまう場合も。

IAAのメリット

  • 潰瘍性大腸炎から”完全に”解放される。

IAAのデメリット

  • IACAよりも便漏れの頻度が多いらしい
  • 小腸で作る袋に炎症(回腸嚢炎:かいちょうのうえん)が起きる場合がある。抗生物質ですぐに治るが一部の患者で難治性になってしまう場合も。
  • 高度な技術が必要な手術のため、2回から3回に分ける手術が一般的である。

 

IACA・IAA共に、術後半年から1年くらいは便の回数が多かったり便漏れが起こるらしいです。そして何より怖いのは便漏れが一生治らない場合です。便漏れが1年経っても治らない場合は一生治らないと思ってください。と先生は言ってました。その場合は、常にナプキンやオムツを付けるそうです。

最後に

IACA・IAAどちらの術式も便漏れには個人差があるようですが、比較的便漏れが少ないとされているのはIACAです。そして私が手術を受ける病院はIACAを得意としている横浜市民病院です。なので、私はIACAという術式に納得しています。

ただ、先生の話だと、お腹を開けてみて小腸と肛門を繋げるのがまだ難しいと判断した場合は、もう一度、人工肛門になる人もいるとの事でした。

それは知りませんでした。私は手術が出来れば繋げられるものだとばかり思っていました。

 

なんか嫌な予感がする。・・・明日、仏滅だし。

術後の便漏れの心配ばかりしていましたが、それ以前の心配が出来てしまいました。

頼む!あまり運が良い人生とは思えないが明日は幸運な1日であって下さい!

 

今回は非常に長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。

参考:潰瘍性大腸炎の外科治療

 

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